【モテの定理 第7回】オンナはオトコのココを見る!~サバイバルスキル編

登場人物

渕上賢太郎(ふちがみ・けんたろう)博士
モテモテ・アカデミー主宰。数学、生命科学行動経済学の博士号を持つ。どんな人、モノでも「モテ」てしまう定理をついに発見した。専門分野で得た見識を、自在に「モテ」に応用する。

山田君
彼女いない歴=年齢のモテない32歳。「モテ」への道をショートカットすべく、キーパーソンを探している。今のところ、当てになりそうなのは、上司と大家のおばあちゃんのみ。

※この記事は、2011〜2013年までの間に、MSNのニュースサイト・ドニッチにアップされたぐっどうぃる博士の記事の復刻版です。また、男性向けに書かれた記事ですが、女性にも役立つ内容だと考え、このたび恋愛ユニバーシティにも載せる事にしました。

 

神奈川県某所にある謎に包まれた研究所の一室、モテモテ・ラボラトリー。ここでは「モテ」に関するあらゆる研究が行われており、ブレイクしたいタレントや、新商品をヒットさせたい企業、果ては支持率の回復を狙う政治家までが、助言を求めて日夜訪れる。

「モテ」る男になるために自分の魅力の伝え方を一通り学んだ山田君。(未読の方はバックナンバーでチェック!)これでモテモテ!と張り切っていたが……。

山田君 博士ぇ~~っ助けてくださいよぉ~~

博士 どうした山田君。これまで色々教えてやったのに、第一回と同じ出だしになってるぞ。

山田君 そうなんですよ。もう、振り出しに戻った気分です。
博士に教えてもらった方法を全部実践してるんですけど、全然モテるようにならないんです!!

博士 山田君。君はいったい何を実践してるんだ?

山田君 そうですね……「純朴でスレていない誠実な人」というのが僕のブランドなので、何かにつけ親切にしてますよ。
この間も会社の女の子が、プリンターの故障で困ってたんで声をかけました。普通なら10分でギブアップするところを、2時間格闘しましたよ。それでも直らなかったので、純朴に「ごめん、無理だったよ」って謝りました。

博士 なるほど。山田君、君は全てのモテで躓(つまず)くんだな。モテのミッション•インポッシブルと呼ぼう。

山田君 えへ。ありがとうございます。

博士 ほめてない!
いいか、以前ちらっと言ったが、女性が男性に惹かれるポイント、それはサバイバルスキルケアスキルだ。これは女性の本能的な感覚で、口ではどう言っていようとも、ほとんどの女性はこの2つの視点で男を品定めしている。
男性誌やモテ指南本などには色々なモテ技が載っているが、それらはすべて、この2つの能力のどちらかをアピールするものだと言っていい。

山田君 サバイバルスキルとケアスキル……。難しそうですね……。

【モテの定理 第6回】時間をかけずにモテる方法 後編

 

博士 なあに、本質をきちんと理解すれば大丈夫だ。
まずはサバイバルスキルについて、説明しよう。
我々の本能を左右しているのは遺伝子だ。その遺伝子について考える時、我々専門家は少なくとも数百世代から数千世代くらいさかのぼって考える。まあ、数千から数万年前だな。その頃、我々は食うにも困る日々を送っていた。

山田君 おおっ、なんだか深い話になってきましたね。

博士 当時我々は、男は狩りに出かけ食料を確保し、女は子を産み育てる、そういう暮らしをしていたはずだ。そして、男は食料を獲るだけでなく、女と子供をあらゆる危険から守っていただろう。だから、女としては身を任せる男が、きちんと食料を持ってくることができ、危険から守ってくれるだけの力がある人でないといけない。そうでないと自分と子供の命が危ないからな。
その時代に植え付けられた感覚が、今も女性の本能を支配していると僕は思う。
この食料を持ってくる力、危険を退ける力がサバイバルスキルなのだよ。

山田君 なるほど~。ということは、僕は「食べられる野草」とかを勉強したらいいんでしょうか?もしくは傭兵(ようへい)になるとか?

博士 君はテレンス・リー(※この記事は2011年に書かれてものです)になろうとしているのか?

21世紀の今、サバイバルスキルを求める女性の本能は変わらなくても、スキルの中身は多様になっているんだ。女性が「この人頼れる!」と感じられるものすべてが、サバイバルスキルなのだよ。
お金を持っている、安定した企業で働いているといった経済力はもちろんだし、知性もそうだろう。
他にも例えば、服装センス。ダサい服、似合わない服、ファッション誌の受け売りみたいな服を着ている、そんな男は「センスがない」と思われる。服のセンスがないということは、「他のどの局面においてもセンスがないんじゃないか」そう思わせることになるんだな。大昔で言えば、獲物の場所を見つけるセンス、不測の事態に対応するセンスなど。結果、「この人に頼るのは危険」と思われてしまう。

山田君 僕はどれもないんですが……。

博士 大丈夫だ。
実は、女性は男の「夢」にもサバイバルスキルを感じたりする。例えば、今、君は冴えないSEだが、「俺はウェブ業界をひっくり返すような新システムを開発して、社長になるんだ!」と言えば、それに惹かれる女性はいるのだよ。
ただし、これは若い女性限定だ。20代後半くらいになって恋愛経験を重ねると、世の中そう甘くはないことがわかってくるから、夢を語るだけの男は現実を見る能力がない、つまりサバイバルスキルがない、となるんだな。

山田君 なるほど~。でも僕、そんな大それたこと言えないですよ……。

博士 サバイバルスキルには他にも、問題解決能力というのがある。
何か問題にぶつかったとき、あせらずきちんと解決できるか、これは生きる上でとても大きな力だ。
例えば、さっきのプリンターの件。君が故障したプリンターをさっと直せたら、「この人サバイバルスキルがあるな」となっただろう。だが、現実の君は問題を前に、テンパり、解決できず、しかも問題から逃げた。それではモテない。

山田君 たかだかプリンターからそこまで見てるんですねえ。

博士 そうだ。さっき言っただろう、女性は本能的に、「相手を選び間違えると自分も子供も危ない」と感じている。だから慎重に、ささいな点からも男のサバイバルスキルを見極めようとするんだよ。

山田君 じゃあ僕はどうしたらいいんでしょう?

博士 そうだな。君は素朴で誠実なキャラなわけだから、問題解決能力を磨くのが良いだろう。あと、女性が困りそうなこと、配線だとかパワーポイントの使い方だとか、色々なことに詳しくなっておくことだ。
そして、何事にもテンパらない、逃げない、これが大切だな。そうすると、サバイバルスキルを感じてもらえるだろう。

山田君 よ~し、とりあえず、明日会社に行ったら一日中プリンターの取説読みます!

博士 仕事はちゃんとしたほうがいいぞ……。
次回はもう一つのポイント、ケアスキルについて解説しよう。